Osamu Shimizu

Osamu

20190329

僕が証券会社に就職したての頃、世間はバブル絶頂期だった。
“メルセデスベンツ190E”は、
当時500万円はしたにもかかわらず
“六本木のカローラ”と呼ばれるほど
街でよく見かけられる車だった。

初めて飛び込みで入った渋谷の不動産王Kさんも、何台か所有する車の中に190Eを持つ車好きだった。
会えば車の話で盛り上がり、打ち解けていった僕に190Eを譲ろうと言ってくれた。
190Eは、自分の給料で買った”初めての車”になった。

あれから約30年経った今も、
“初めての営業先”のKさんと僕は車好きという共通点で親交がある。

特集:東京ロールスロイス。

20190612

 

一台一台がビスポーク。

 

すべてのディテールがカスタムメイド。

 

どのファントムも内装は豪華で色鮮やかで、どのゴーストだって個性にあふれた世界に唯一の仕上がりで。

 

ロールスロイス自体がそんな特別なクルマだからこそ、この“異質”な一台に目が奪われる。

 

 

東京を走るこのカリナン。

 

インテリアに選ばれたのは、ベーシックなブラックレザーと、ほんの些細なネイビーのアクセント。

 

ダッシュボードの裏地部分、ドアパネルのアームレスト、そしてシートベルト。

 

最低限の箇所にとどめた、最低限のコントラストに抑えた、黒と紺のツートンカラー。

 

 

まるで全身ブラックのライダースジャケット、その襟の裏側にだけこっそりと同系色レザーを張るかのような。

 

香るか、香らないか。

 

ほんの小さな個性。

 

 

エクステリアも同様。

 

グリル、モール、ホイールをブラックアウトし、黒と紺のツートンに。

 

 

世界最高峰ブランド。

 

世界に一台のビスポーク。

 

だからこそすべてを最小限に。そしてもっとストリートに。

 

そんな、東京ロールスロイス。

 

 

(Text & Photo:Nori Tohyama)

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